Mellow Candle / Flibbertigibbet / Clodagh Simonds / Tudor Lodge / Spirogyra



Mellow Candle - Mellow Candle

抱擁の歌(紙ジャケット仕様)  美しき女性ボーカルによるロックは英国ならではの味わいで多くの英国ロックファンの心を捉えて離さない領域のひとつで、もちろん自分もそういう美しいものは大好き♪

 キャタピラのアンナ・ミークやカーヴド・エアーのソーニャのようなお転婆系姉さんもいいんだけど、お淑やかな妖精のような歌声を披露してくれるのも良いのだ。そしてメロウキャンドルというバンドはそんな美しい声の持ち主を二人もボーカルに据えていた素晴らしきバンドなのだ。それだけでなく音楽面に於いても独特の美しき世界を創り上げている超名盤を世にリリースしていて、何とも素晴らしいバンドなのだ。

 アルバムとしては「抱擁の歌」というタイトルの作品一枚だけしかリリースされていないんだけど、冒頭の「Heaven Heath」からハープシコードの音色とフォークの味わいが見事に昇華されていてついつい聴き入ってしまう名曲。何でも歌っているのは当時16歳の少女だったというから凄い。その年齢でないと出せない歌声だったのかもしれないけど、ず〜〜〜っと聴いていても絶対に飽きない、何度でも繰り返したくなる美しさはさすがに英国フォークの三大バンドに数えられるだけはある。こんなのは電車の中で聴いてはいけませんね。スピーカーでゆったりと瞑想しながら聴く音楽です。

 90年代になっていつものようにレコ屋漁りをしている時に何気なくフォークのCD棚を見ていたらメロウキャンドルの全然知らないジャケットの作品が置いてあって凄く驚いたんだけど、興味津々で買い込んでしまったのがそのアルバムのアウトテイク及び未発表曲をまとめた作品で「The Virgin Prophet: Unreleased Sessions 1969-1970」というタイトルだったんだけどジャケットはメロキャンらしくないし何だかなぁと思って聴くと本当にアウトテイクで驚いた。

 アルバムバージョンとは明らかに異なるラフな状態のままの音源でこれもまた聴きまくった。新鮮で新鮮で…。で、そんなを発見したので更に漁っていったらもっと驚くことにボーカルの片割れであったアリソンとデイヴィッド・ウィリアムズが組んだFlibbertigibbetが南アフリカのみでリリースしたアルバムも同じレーベルからCD化されていて泣きながら買ったなぁ。しばらくしたら更に片割れのクロダー・シモンズがミニアルバムをリリースしていたのも発見して、しばらくメロキャン三昧…。とにかく英国でしかあり得ない美しきプログレッシブな香りも漂うフォーク感のあるメロウキャンドルは絶対にオススメなのだ。

Flibbertigibbet - Whistling Jigs to the Moon

Whistling Jigs to the Moon  英国のフォークの奥の細道のその奥にある作品。そしてとてつもなく美しい音を聴かせてくれる、これこそ英国漁りの至福の楽しみとも云えるアルバム「Whistling Jigs to the Moon」を久々に聴いてみた。うん、Flibbertigibbetっつうバンド。いやぁ、これ書いただけでおぉ〜ってくる人はとってもマニアな方くらいだと思うので若干回りくどい説明はいるのかな。

 英国フォークの三大美神の最高峰を担うと思っているメロウキャンドル。奇しくもアルバム一枚で消え去ってしまい、その後の消息は特に聞くこともなくひっそりと散っていったバンドという印象が強いのだけど、実際にはフロントのお二人が仲むつまじく結婚してひっそりと田舎に戻ってしまった、とかもう一方はまた別の動きで…、なんて感じで90年代後期以降は結構研究が進んでいるので今じゃ結構色々調べて分かってる部分も多いんだろうね。

 そんなことでフロントのお二人が仲むつまじく、ひっそりと籠もって、更に南アフリカに移住したことで南アフリカでひっそりとリリースされたアルバム「Whistling Jigs to the Moon」、というか組まれたバンドがFlibbertigibbetってバンド。音はトラッド色の強いメロウキャンドル。あの浮游感というかサイケ感はないけど、流されるがままに心地良く気持ちを預けられる雰囲気は健在、そして恒例のダブル女性ボーカルによる天使の歌声もそのまま。見事にメロウキャンドルの継承としてもっとメジャーになってもよいでしょ、っていう作品だと思うんだけどなぁ。

 この後どこかのライブ盤「My Lagan Love」もリリースされているみたいだけどマニア向けのレーベルKissing Spellによるこの辺一連のリリースには実に驚かされたものだ。こんなもんどうやって手に入れるんだよ、ってのがいっぱい出てきて狂喜乱舞だったもんなぁ。機会があればこのアルバム,絶対お薦めしたいね。メロウキャンドル好きな人なら気に入るはず。うん。

Clodagh Simonds - Six Elementary Songs

 ついでなので、メロウキャンドル繋がりで書いておこう〜っと。今書いておかないと多分絶対今後出てくる可能性が少ないだろうから(笑)。いや、メロウキャンドルでフロントを務めていたクロダー・シモンンズって人がいたんだけど、Evangelレーベルっつうところからリリースされた超マニア向けのクロダー・シモンズさんソロ作品♪なんとプロデュースにはあのトム・ニューマンを配した作品で、それだけでも英国マニアには受けるのだ。

 まぁ、実際そんな夢のようなお話は1997年に行われてリリースされたワケなんだが、多分この人の趣味なんだろうなぁこういうのは。まずジャケットからしてもかなり耽美的というか摩訶不思議な世界で綴られた小冊子的になっているし、しかもそれが青い色に包まれているから結構神秘的で妖艶とは言ったものだ。そして肝心の音世界…、トム・ニューマンの世界ってこういうのもいっぱいあるもんなぁ…。そしてクロダー・シモンズの趣味ってのはこういうもんだったんかな、と思える音。

 要するに現代シンセサイザー的なドーンと流れるバックの音に歌や簡単な音が乗せられているもので現代音楽に近いかな。英国トラッドとかサイケとかそういう世界じゃないけど、ある意味もの凄くトリップしている音ではある。でもメロウキャンドルのトラッド的側面を削って残ったものってこういう雰囲気かもしれないなぁとか思うとあんまり不思議じゃないから面白い。

 CD屋でたまたま見つけた時があって、ラッキーだった。うん、リリース当時にね。へぇ〜ってな感じで飛びついたもん。聴いてちょっとがっかりしたけど、でもなんか凄く貴重なものを手に入れた気がして嬉しかった(笑)。

Tudor Lodge - Tudor Lodge

Tudor Lodge  英国音楽探求の旅に出ると最初の方で出逢うこととなる名盤というものがいくつかある。もちろん入る人それぞれに道は異なるのだろうが、多くの人はこのバンドには割と早いウチに出会うこととなると思う。Tudor LodgeMellowcandleSpirogyraという三美神による心洗われるほどに美しく落ち着いた雰囲気を堪能できる英国サウンドもそうそう見つからない。素朴な音で聴く者を和ませるVashti Bunyanという手はあるけど、まぁ、いいじゃないか、秋ってのはこういう素朴で美しい音を聴くには実に心地良いのだから。

 1971年リリースのちょっと前までは唯一のアルバムとして名高く、そして非常にレアな貴重盤としても永い間知れ渡っていたアルバム。理由はもちろん詰め込まれた素朴なサウンドの美しさもあるが、ヴァーティゴレーベルの6面開き変形ジャケットによるリリースというところも大きい。よってオリジナル盤はかなりの覚悟が必要なお値段で出回っているみたいで、何回か見かけたけど、いやぁ、とてもとても…。で、自分的には90年代のCD再発シリーズで入手したので割と聴くのはラクだったからよかった。今じゃ6面開きアナログ200g盤にてそのままの形で再度リリースされているのだから恐ろしい。CDの紙ジャケだけでは飽き足らないと見える…。まぁ、そんな伝説ばかりが先走るので英国好きになってからは大体の人が早めに通るものだろうってことだ。

 中身はねぇ、ホントに三人によるフォークバンドなので派手さを期待してはいけないし、サイケさもそんなにあるワケじゃないし、ちらりと言われるようなアシッドフォークってこともない。本当にフォークサウンドで、そこに細々とした小技の効いた楽器の音色が被さってくるくらいのもので、美神と言われるもののその実男性が歌う歌も多く、女性の歌だけで彩られているメロウキャンドルとは大きくことなる。どっちかっつうとトレイダー・ホーンみたいなもんだと思うけど、まぁ、あそこまでではないか。うん、クリムゾンの小曲あるじゃない?ああいうのがいくつもいくつもあって、それがフォークで形作られているっていう感じで思ってもらえれば良いのかな。雰囲気的にはね。

 驚くことに1990年代末になってからすっかりおじさんとおばさんになってしまった元メンバー二人によるセカンドアルバム「It All Comes Back」がリリースされているようだ。もっとも一般的なファンはこれを認めるかどうか知らないが、基本的に変わらない音楽性っていうから凄い(笑)。いや、まぁ、そうだろうけどさ。

Spirogyra - Bells. Boots and Shambles

Bells Boots & Shambles  う〜ん、秋の夜長という理由にかこつけてなんとなく英国トラッドフォーク系にハマってきました。そんなところにやはり美しい女性の声と軽やかなフォークと言えば思い出すのはこちら。

 1973年リリースの三枚目のアルバム「ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズ」。ファースト「セント・ラディガンズ」が1971年、セカンド「オールド・ブート・ワイン」が1972年なのでコンスタントにアルバムをリリースしてきたとも云えるバンド…っつうか正確にはユニットだな。ご存じバーバラ・ガスキンとマーティン・コッカーハムの二人によるもので、結構躍動感と起伏のあるフォークソングが多くて、淡々とという感じよりももうちょっと色のついたアルバムという感じなのが三枚目の特徴か。まぁ、ゲストメンバーには色々と呼んでいるけど、ちょっと驚いたのがフェアポートのデイヴ・マタックスがドラムを叩いていたってことかな。どこかで聴いたようなドスドスしたドラムだなぁと思ったら彼だった。好きなんだよね、この人のドラム。このアルバムの中では数曲も叩いてないけどさ。だってドラムの入ってる曲少ないモン。

 しかしバーバラ・ガスキンの歌声というのは美しいものだ。透き通る声に近いので天上を崇めるというような気持ちになる感じ。一方のマーティン・コッカーハムが結構曲者なんじゃないかなと思うんだけど、単なるフォーク野郎に留まらないキャパの広さがあって、ヘタしたらロックでも結構よかったのかも、と思うような感じがする。今どうしてるか知らないけど、妙なバンドだなぁ、と。単に英国切っての美しいフォークっつうんじゃなくってねぇ、結構クセあるよ、この人達。

 今は結構簡単に三枚とも入手できると思うけど、前はなかなか見つからなかったな。CD化されてからは割と良くなったけど、その前はキツかった。絶対枚数が少ないんじゃないかなぁ、ファーストとかはあんまり見かけなかったし。B&Cレーベルからのリリースで配給はポリドールなのかな?多分そうだと思うけど、だから割と再発でもしっかりしてたのかもしれん。

PageTop このページのトップへ
Copyright (C) 2009 ロック好きの行き着く先は… All rights reserved.