Vashti Bunyan / Dando Shaft / Anne Briggs / Shelagh McDonald / Vikki Clayton / The Strawbs etc



Vashti Bunyan - Just Another Diamond Day

Just Another Diamond Day  真の意味で英国伝承フォークソングを奏でていた人達、そして確実にそのスタイルでファンの心を掴み取り、永遠に愛されて止まないアルバムのひとつであるのがVashti Bunyanじゃないかな。素朴、英国的、伝統的な楽曲、そして何よりも優しい。このアルバムこそがトラッドフォークという世界を聴いてみたくなる、そして聴いてみた結果、出会えたことに至福の歓びを感じるに相応しいアルバム…。

 う〜ん、褒めすぎなんだけどさ(笑)、それくらい最高の作品なのだよねぇ。Vashti Bunyanの1970年の唯一の作品「Just Another Diamond Day」、だったけどこないだセカンド「Lookaftering」が唐突にリリースされたな。優しいフォークギターとVashti Bunyanの素晴らしく優しくて素朴な歌声が絡み合って奏でているだけの音で、もちろん多少の彩りを与えるためにフィドルやピアノ、バンジョーやマンドリンなどが華を添えるけど、基本的に歌とギターだけ。そしてここにもフェアポート人脈はしっかりと根付いていて、この後のフェアポートを盛り上げていく重要な一員となるデイヴ・スウォーブリックとこの世界では有名なサイモン・ニコルのサポートもしっかりとクレジットされているのだ。単なる歌の綺麗なお姉ちゃんではなく、しっかりとそのフォークの世界の筋では実力を示していたからこそこういう人脈を生み出したんだろうから、やはり並みではない。

 アルバムジャケットの素朴な雰囲気がそのまま音に出ているのでこの忙しい世の中の時代から切り離れたところでボーッと聴いているとホントに全てを忘れ去れるような感じになるので、日だまりの午後なんかにいかが?って感じ。そういえばこんなのも紙ジャケでリリースされるようになるとは実に素晴らしい国だ、日本は。もちろんアナログでは見かけたことのなかった一枚で、その存在ですら割と伝説的だったし…、まぁ、セールス的には全く振るわなかった一枚としても有名で、だからこそレアアイテムだったんだろうねぇ。CDになるのも結構遅くて、なかなかCDでリリースされなかったもん。だから全然聴けないままでさ、だから最初に英国でCD化された時にあちこち探し回って入手したのが最初。聴いたらノックアウトされた(笑)。いや、ほんと素晴らしいアルバム。英国フォーク界広しと言えどもこれほどの作品はなかなかないのでは?と思えるくらいだね。

Dando Shaft - Dando Shaft

Dando Shaft  聴けば聴く程に味が深まっていくのが英国トラッドフォークの世界。もちろん底なし沼の世界なので表面をなぞるだけでも十分に楽しめるものなんだけど、やっぱりせっかくなら色々と遊んでみたい。このDando Shaftと言うバンドはもちろん英国トラッドフォークを代表するバンドなのだが、自分はこのバンドをプログレ側から知ったものだ。それは何よりもネオンレーベルからキーフのジャケットデザインっていうことでイメージを持ってしまったのだ。薄日の当たる回転木馬というジャケットは正にキーフらしいデザインの素晴らしいアルバム。聴いてみてもその印象は全く変わらず素晴らしい音世界が繰り広げられている。

 1971年にリリースされた、バンドとしては二枚目の作品にしてセルフタイトル「Dando Shaft」を冠した自信の作品。この作品からポリー・ボルトンという女性ボーカルをクローズアップしており、それがまた素晴らしい味付けに貢献しているのだ。バンドはもう一枚リリースしてほぼ壊滅状態になってしまうんだけど、それでもこのセカンドアルバムは燦然と輝く英国フォークの傑作でしょう。

 うん、簡単に言えばツェッペリンのサードの世界を拡大したもの。もちろんもう少し独自性は出ているんだけど、ツエッペリンが如何にトラッドを吸収して出しているかというのもわかるし、ダンド・シャフトというバンドはやはりロックよりの理解もあったということも世界観で伝わる。だからフェアポートとかスティーライとかと同列レベルで語られても全くおかしくないレベルのバンドだと思うんだよね。「Magnetic Beggar」っつう曲なんて正にZepだもん。かと思えば他の曲ではしっかりとトラディショナルな音世界。ギターとかマンドリンとかが凄く良いんだよね。そしてコーラスもしっかりしてるしもちろんポリーの歌声と来たらサンディ・デニーに通じるものもある素晴らしい声の持ち主なのだ。

 ネオンレーベルっつうのもあってなかなかメジャーな世界には進めなかったバンドだけど今の時代になり改めて評価されるようになると全ての面でキライになる要素がないことに気付く。なのでもっと手軽に入手できるようにリリースされるべき作品だよなあと勝手に思っているアルバムでね、今の季節なら尚更ピッタリ♪

Anne Briggs - The Time Has Come

森の妖精(紙ジャケット仕様)  素朴なシンガーソングライターとしてはかなりメジャーな部類に入るのか、英国の森の奥深くを奏でていた女性はと言えばアン・ブリッグスじゃなかろうか。あのバート・ヤンシュとの交流の深さからサウンドで聴かれるシンプルで素朴な歌メロはアルバムをいつまでも名盤として語られ続けられる要素をたっぷりと持ち合わせている。

 1971年リリースのセカンドアルバム「森の妖精」。ファーストアルバム、というか60年代の活動を集約したアルバムがリリースされていたことはあり、そのジャケットもまた艶めかしくて、そして内容も更に素朴なカバー曲がメインで美しいんだけど、こちらのアルバム「コレクション」もまた素朴な点では変わらないけど単なるトラッドシンガーというだけでなく、自作曲やバート・ヤンシュとの共作なんかも併せ持っているというものでその筋では名盤。

 音的には、そうだなぁ、ギター一本をバックに素朴に歌うんだけど、なんつうのか、歌手って感じで森の中を誘ってくれるという感じではなく、いや、ここのトコロ一連のフォークシンガーはもうちょっと甘いというか柔らかさがあるんだけど、アン・ブリッグスはそこまで甘くないっつうか、そんな感じ。ある意味プロなんだろうけど、そういう感じがあるかなぁ。歌詞の使い方なんかも関係しているのかもしれないけど。

 一度日本でもCBSからCD化されていて、その時に入手したんだけどその後はなかなか再発されなかったみたいでアチコチの中古屋さんではCDでも結構高値で売っていたりした作品。この夏にどうやら紙ジャケでリリースされたみたいなので、音を聴く分には問題ないだろうし、それこそかなりマニアックにリリースされているみたいなので満足度高いんじゃないかな。内容もほっとする味があるしね。オフィシャルサイトでは結構細かくあれこれと書いてあるのでお薦め♪

Shelagh McDonald - Stargazer

スターゲイザー(紙ジャケット仕様)  英国のフォークシーンの中にはセプテンバープロダクションと呼ばれた一群がある。その辺の説明は同じシェラ・マクドナルドを書いているCottonwoodhillさんのブログサイトに詳しく載っているので是非一読をどうぞ♪なるほどなぁと思う説明で、納得です、はい。

 んなことでシェラ・マクドナルド。ファーストアルバム「アルバム」は1970年リリース、翌年にはセカンドアルバム「スターゲイザー」も颯爽とリリースしたが、そこから消息不明となっているソングライター。しかも英国フォークの雄達がこぞってセッションに参加しているということでアルバム制作のクレジットを賑わせるには十分な彼女、勿体ないなぁという声も多く聞かれるがLSDで隠居でしたか…。う〜む、フォークもロックもミュージシャンは大して変わらないのぉ…。

 まぁ、それはともかく、音的なトコロではもちろん英国のフォーク、というかシンガーソングライターっつう感じかな。アメリカのだと何となく鼻につく部分が大きいんだけど、英国のだとそういうのがなくて風景が目に浮かぶから好きなのかな。さすがに1970年代なので素朴っつう感じではなくってシンプルに敢えてこうしているというような印象で、歌声は綺麗に歌い上げるワケじゃなくってほんのり歌っているので暖かい感じでねぇ、秋色っつうよりも暖炉の蕎麦でギターをつま弾いてくれながら歌っているというような色合い。って難しい表現だよね。普通に聴いたら普通にシンプルなフォーク。

Vikki Clayton - Honor

Honor  どうして自分のコレクションになるのかよくわからないCDってのも結構ある(笑)。何気なくCD棚を見ているとそういう宝物にいくつも出会えるのは面白いもんだが、今回も何であるのかよくわからないのだが、聴いてみると実に美しくて得した気分になった一枚をご紹介。

1988年リリースのデビューアルバム「Honor」で、詳しい背景とか全然知らないんだけど確かフェアポート・コンヴェンションが毎年開催しているクロップレディフェスティバルでボーカルを務めてたことがあるハズ。それで多分気になったんだろうなぁ…、何かサンディ・デニーの再来とまで云われるくらい昔のフェアポート・コンヴェンションの曲を歌いこなしたとか云うので話題をさらった人だったと思う。うん、多分そうだ。

 それで音を聴いてみるのだが…、非常にシンプルなアコギと美しく透明感のある歌声だけで作られている作品で、とってもトラディショナルな曲調ばっかりなんだけど、トラディショナルな曲は何曲かしかなくって結構オリジナル作品ばかりで占められてて、違和感なく普通に聴けるので驚いた。この人心の底から英国トラッドシンガーソングライターなんだ…と。冒頭の「The Blacksmith」ってのはトラッドなので実はあちこちでお目に掛かる曲…、ペンタングルやシャーリー・コリンズ、スティライ・スパン、バート・ヤンシュなどなど…、そのどれもと張り合っても結構良い線イケるくらいしっかりとできてるし、本人も自信あったんだろうなぁ、曲の良さもあるけどすっきりとした歌声が特徴的で心地良い。

 更にサンディ・デニー好きを惜しげもなく表してなのか、渋いところでサンディの結成したFotheringayのアルバムにも収録されている多分トラッド曲の「Banks Of The Nile」ってのもバックがギターだけで歌ってて、さすがに声質似てるなぁ。で、今度はフェアポート・コンヴェンションの超名盤「Liege & Lief」の最後に入っている有名曲でもある「Crazy Man Michael」をカバーしてるんだけどさぁ、これもまた結構な迫力で完全にサンディに成り切っての熱唱だよなぁ。いいねぇ、こういうの。

 そんな感じでどうしてかウチにあったCDだけど、気分的にハマってたので結構よかった。やっぱ音楽は元気が出るもんなのだ。例えそれがトラッドであっても、ね♪

Matthews Southern Comfort - Matthews Southern Comfort

Second Spring/Matthews Southern Comfort  秋冬になるとフォークが心地良い。トラディショナルな英国フォークは今の季節にぴったりなのかもしれない。まぁ、そういう心地良い音を何となく求めているだけというのかもしれないけど、久々にまとめて聴いていて癒されている自分に気付くのだった…(笑)。だからどういうのでも良いんだけど、ロック的なモノから遠ざかった思い切りフォークに手を付けてみる。

 イアン・マシューズが組んだバンドの最初のアルバム、っつうかソロ作品のタイトルでもあったマシューズ・サザン・コンフォートの作品「Matthews Southern Comfort」。最近のCDではファーストとセカンド「Second Spring」がカップリングになったCDで売られているようなので、それで良いんじゃない?二枚入ってお得だし。ま、生粋の英国マニアでもない限りアナログは手に入れられないでしょう(笑)。マニア的に有名なのはこの辺よりもここから先にイアン・マシューズが脱退して単なるサザン・コンフォートっていうバンドになってからリリースされた紅茶のジャケットで有名な「サザン・コンフォート」だろうね。お店でいつ見てもハッとする美しさがあるジャケットでさ、品格が備わってる作品だもん。

 さてさて、この作品「Matthews Southern Comfort」は1969年暮れにリリースされたようで、イアン・マシューズはフェアポート・コンベンションのセカンドアルバム「What We Did On Our Holidays」までフルで参加してから三枚目の傑作「Unhalfbricking」のレコーディング中に離脱している人で、以降にもちろんフェアポート人脈をも使って作られた作品がこの「Matthews Southern Comfort」。フェアポートの方はサンディ・デニーという強力な歌い手が加入していたためイアン・マシューズのささやくような優しい歌声の出番が少なく、またリスナーも必要としていなかったこともあるのでその分自身のバンドでこういった柔らかく優しい雰囲気の楽曲群に囲まれたウィスパーボイスによる作品はフェアポートからの離脱の理由がよくわかるというものだ。思う存分イアン・マシューズの世界を打ち出しているし、その美しさは英国フォークの中でもかなり秀逸なモノに仕上がっているとも云えるしね。

 セカンドアルバム「Second Spring」はもう少し霧が晴れたような感触の作風で、ちょっと雲の切れ間に日差しが見えるかなというような感じでして、うん、CD一枚に二作品が入ってるけど、立て続けに聴いているとその作風の質感の違いはすぐにわかるんじゃないかな。どちらもソフトで優しい楽曲群は聴くモノをうっとりとさせる魅力を放っていることに変わらないね。うん、いいわ、こういうの、秋だ〜♪

The Strawbs - From The Witchwood

From the Witchwood  ロックの系譜を追いかけることで様々な関連やバンドメンバーの活動経過や仕事内容、人間関係や音楽的趣味などを測っていくことができるのも面白く、なかなか体系化出来ない図が出来上がるハズなんだけど、そういうのを知ってて、というよりも追いかけつつアルバムに親しんでいくといつの間にかあらゆる音楽に精通してしまうこととなる。もっともどこまで追いかけるのか、という自分なりのマイルストーンは必要なのだが…。

 今回は面白くて…、二つの側面から同じ所に辿り着いたケース。ひとつはエルマー・ガントリーのヴェルヴェットオペラというバンドのリズム隊が次なる職場として求めた場所でもあったのがこのストローブスでした、ってこと。もうひとつは来日公演中のカーブド・エアーの当時は歌姫だったソーニャ・クリスティーナが短期間ながらもボーカルで参加していたこともあるのがストローブスだってこと。故に二つに分かれて進めてきたストーリーラインがここでまたひとつに融合したっていうケースでして、いや、狙ってなかったんだけど、面白い図式だなぁと。サンディ・デニーが参加していたのは有名な話だけど、実はソーニャ・クリスティーナまでもが参加していたことがあるってのはあまりメジャーな話じゃないしね。

 んなことで、一般的にはリック・ウェイクマンが参加していることで有名になっているストローブスの「From the Witchwood」という作品。これがだな、決してリック・ウェイクマンが参加しているから良い作品というのでもなく、またリック・ウェイクマンが参加しているから有名なアルバムというのでもなくって、しっかりとストローブスの「From the Witchwood」というアルバムとして聴いてみても実に素晴らしい作品で、音的にも英国のトラッドをベースとしたデイブ・カズンズの類い希なるセンスがしっかりと打ち出された傑作なんです。先程のベルベット・オペラのベーシストジョン・フォードさんのベースがここでもまたしっかりとブイブイ言って歌っているんですわ、このベースが。んで、リック・ウェイクマンのオルガンやら鍵盤類がこれもまたしっかりと華を添えていて…。ストローブスってこんなに良かったっけ?と思うくらい感動できるアルバムです。

 1971年リリースの邦題「魔女の森」ってのも神秘的なタイトルでよろしいし、内容の方も全く好みの音色でね、この時期にはピッタリな音♪

The Strawbs -Just a Collection of Antiques and Curios

Just a Collection of Antiques and Curios  秋の大型連休の始まり…、何をするにもどこに行くにも混んでるから連休って難しいと思う。自分の家で適当に気楽に休んでる分にはお気楽で良いんだけどね、一歩外出るとうるさかったりするので面倒。くつろぐつもりで出掛けようものなら渋滞とかさ。なので、ちょっとヒネた休み方しないといかんのさ(笑)。

 英国フォークというよりもフォークロックの部類に入ってしまうだろうストローブス。イエス加入前のリック・ウェイクマンが参加していたバンドとして有名なんだけど、この辺はプロダクションの影響もあって、概ねトニー・ヴィスコンティの関係でデヴィッド・ボウイの「ハンキー・ドリー」に参加していたりもするので時期的なものと合わせてリック・ウェイクマンの仕事ぶりがよくわかるが、まずはこのストローブスの傑作と言われる三枚目の作品「Just a Collection of Antiques and Curios」。

 1970年リリースのライブアルバム「Just a Collection of Antiques and Curios」。とてもライブアルバムだなんて気付かないくらい完成度が高いし、しかもどういうやり方なのか、そもそも意識してなのかほぼ全曲未発表の新曲から演奏された作品なのでライブでありながらオリジナルアルバムの部類に入れられてしまう変則作品。ジャケットみても全然ライブというような感じでもないし…、いや、このジャケット、昔から好きだったんだよね。モロにアコースティックですっていう感じが堪らなく魅惑的でね。だから音の空想も面白くて聴きたかった。なかなか手に入れられなかったけど。

 手に入れた時はリック・ウェイクマンがどうとかは気にしてなくて、多分今でもそれは気にしてなくてバンドとして聴いているから、作品として聴いているといや、やっぱりリック・ウェイクマンのオルガンとかピアノとかが目立つシーンも多いことに気付く。やはり天才は若い頃から目立つものなのだ。音はねぇ、もちろんアコースティックなんだけど、やっぱロックだからバンドだし、フォークっつうのだけじゃない。アコースティックテイストの目立つロック。二曲目の組曲なんて12分くらいあるから、こういう展開がプログレ的でもあるし、次の「Temperament of Mind」はリック・ウェイクマンのピアノをクローズアップした作品で、いきなりクラシカルな世界になってしまう…。ちょっとなぁ、バンドの雰囲気からは大きく外れてしまうので、ライブ盤じゃなきゃあり得ない展開。技量とか旋律自体はさすが…と唸らされるものだけど、作品邸には無茶苦茶浮いてる。

 面白いことに決して軽くはない作品で、やはり英国的な重さというのか風格を持ったバンドの音。長寿バンドとして活躍しているだけあって、今聴いても色褪せない濃い音を展開しているアルバムかな。しかしリック・ウェイクマン在籍中のライブテレビ映像があるんだ…、驚いた。

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