Blackmore's Night / ALl About Eve



Blackmore's Night - Under A Violet Moon

Under a Violet Moon  日本のロックファンにとって三大ギタリストという印象よりもジミー・ペイジとリッチー・ブラックモアっていう図式の方が印象深い人多いんじゃないかな。自分的にはどうしてもZepに行ってしまうのでパープルとかにはあまり傾かなかったのでよくわからないけど、1974年にはパープルが「Burn」を発表してグレン・ヒューズとデヴィッド・カヴァーデイルを迎え入れた頃だから、かなりハードなロックで一世を風靡していた時期で既にギターヒーローだったんだよな、リッチーはね。

 まぁ、なんでそんな話かと言うと、最近リッチーさんをよく聴いているからです(笑)。いや、パープルとかレインボウではなくってブラックモアズ・ナイトです。知らなかったんだけど、キャンディス・ナイトってアメリカ人だったんだね。結構驚いた。それがあんなにしっとりと歌わせられるんだからリッチーのコントロール術も見事なものだなぁと妙に感心してるのもある。うん、1997年にリッチーがルネッサンス音楽をやって女性ボーカルと一緒にやったアルバムが出るらしい、ってことで「ふ〜ん」なんて別に何の気もなく話を聞いていたんだけど、とある時に自分がトラッドフォークとか好きなのを知っている友人からリッチーのやってるブラックモアズ・ナイトのアルバム結構いいぞ、と薦められて聴いてみたのが最初かな。いやマジで驚いた。完璧にルネッサンス古楽的サウンドに綺麗な女性ボーカルが乗っかってるじゃないですか。リッチーって言われなければ全然気付かないし、素晴らしいアルバムだと思ったもんね。このファーストアルバムではアニー・ハズラムの歌っていたルネッサンスの「Ocean Gypsy」もカバーしているのでかなり面白い作品。

 そして今のところ最高傑作だと思っているのがセカンドアルバムの「アンダー・ア・ヴァイオレット・ムーン」で、ファースト「シャドウ・オブ・ザ・ムーン」のルネッサンス古楽傾向からもう少し砕けてきて、トラッドよりと言うか、庶民的になってきた感じだね。堅苦しくない。タイトル曲の美しさもよく話されるらしいけど、個人的には「Wind In The Willows」ってのが好き。白々しい壮大なアレンジとわずかなハードロックギターとソロが上手く溶け込んでいるってのがね、プログレッシヴな感じで好きなんだな。もちろんアルバム全体的にも面白いので「Morning Star」のフィドルをモロにフューチャーしたのも面白いし、やっぱりリッチーのアコースティックのプレイが下手したらジミー・ペイジのそれよりも上手いんじゃないかと思うくらいだし、やっぱりこういうのも簡単に出来るのね、って感じ。そう言う意味でパープルやレインボウ時代は完全にハードロックという枠を決めたバンドだっただけになかなかこういうセンスが出せなかったのかそれ以降に練習したのか…、ここまでスタイルが変わるってのはなかなかあり得ないので面白い。

 この辺からリッチーに入っていく新しいファンがいてもおかしくないし、今のスタイルの方が幅も広くて奥が深いので楽しめるかなぁ。邪道、っつうかここからまともに聴き始めたと思ってくれればいいんだけど、いいよね、この二人のユニットは。

Blackmore's Night - Winter Carols

Winter Carols  素晴らしい。とにかくリッチーがキャンディス嬢とやるようになってからのアルバム全てが素晴らしいのだが、このクリスマスシーズンを狙った「ウィンター・キャロルズ」は実に見事にクリスマスを表現しているし、もちろん古き良き音楽を原題の音にして甦らせているスタンダードなナンバーばかりらしく、もちろん日本人にはそれほど馴染みがないものばかりなのだが…、それでも、まぁ、やっぱ雰囲気はわかる。でもって、この人こんなに音楽の才能あったんか、って思うくらいにホンモノのルネッサンス音楽なんだろうなぁ、こういうの、綺麗に音を使っているし、繊細さの出し方が巧い。キャンディス嬢の歌もリバーブバッチリで凄く綺麗に空気に溶け込む感じで良いねぇ〜。大好きなんだよな、こういう音楽。英国トラッドあたりとは異なった中世の宮廷音楽の再現なのだろう。気持ち良い。

 曲そのものはそれほど知ってるものはないんだけど、ファーストの「シャドウ・オブ・ザ・ムーン」に入ってる曲のリメイクは改めて名曲だったんだなぁと実感したね。他にもコーラスワークやら何やらとあるけどクドクド言う前に聴いてみろ〜っていうくらい良い♪ 是非クリスマス前までに聴くことをお薦めするんだが…、多分それ以降だと気分的に聴きたくないんだと思う(笑)。しかしさ、こういうギターの弾き方ってのはどうやってマスターするんだろうね?もちろんアコースティックなんだけど爪弾き方っつうかさ、フォークでもないし、ま、ジミー・ペイジなんかもそういうのあって不思議なんだけど、リッチーもやっぱ凄いなぁ、とマジマジと思う。ハードロック時代にはここまでのアコギ技って聴けなかったしね。確かにソロのフレージングなんかはやっぱりクラシカルなバロック調のものも多かったので、それが後のヘヴィメタの基礎にもなるんだけど、その深さが違ったなぁ、ここまで来ると。いや、実に素晴らしい。

 いつも聴く音楽ではないけど、流れていたらとてつもなく心地良い音だから恋人達も盛り上がることだろう…。しかし一番不思議なのはこの二人ってほんとにまだ続いてるの??恋人っつったって年齢差ありすぎるんだからさ、いい加減終わっててもおかしくないのだが、マジでまだ恋人なのか?だとしたらその方が不思議なのだが…、でもこんなに甘ったるい作品が出来ちゃうんだからまだ付き合ってるんだろうなぁ…。いや、それが一番不思議。やっぱファザコンなのだろうか…。

Blackmore's Night - Village Lanterne Village Lanterne

Blackmore's Night - Secret Voyage

Secret Voyage  日増しに暑さに慣れていく自分に少々驚きながら、それでもやはり日本の湿気バリバリの暑さってのは心地良いモノではないよなぁ、と。そこへ行くとヨーロッパの暑さってのはきっともう少しカラッとしているのではないだろうかと勝手に夢想しながら緑の木々に覆われた田園風景を想像するワケですな。まぁ、ホントかどうかは知らないが。そして環境によって聴いている音楽の印象ってのは変わるモノでして、ジメジメの環境で聴く音楽と田園風景の中で聴く音楽では大きく異なることは間違いなく、勝手な空想の世界に旅立って聴くことに意義がある、というよりも音楽がそういう風に仕向けてくれるという方が正しいな。聴いているとそういう田園風景へと誘ってくれる、みたいなさ。

   …とまぁ、そこまでじゃないけど一応新作が出ると毎回チェックしているブラックモアズ・ナイトの作品。今回もオリジナルアルバムとしては前作「ヴィレッジ・ランターン」から二年半ぶりにリリースされた「Secret Voyage」です。その間にクリスマス向けの「Winter Carols」ってのがあったけど、ま、企画モノなのでとりあえずオリジナル作品ってことで。

 ヨタ話から書いておくと最近何かと革新的且つ良心的なドイツSPVが発売にも絡んでいてオフィシャルサイトで全曲試聴可になっている。この辺は日本の音楽事情と大きく異なっていて実に時代に敏感に、そしてユーザーに親切に対応している。それで面白いのは全世界発売が決定しているにも拘わらず、日本での発売は未定らしい。要するに日本では売れないからどこも手を挙げてリリースしようとしないってことなんだろう。どうにもリッチー信者が多すぎる日本ではあまりにもかけ離れたサウンドを展開している今のリッチーには拒絶反応が大きいというかそこまでリッチーを追っかける必要性がないがために売れないってとこだろう。ま、そりゃそうだ。ある意味日本のリスナーは音楽そのものを評価しているという優良リスナーなのかもしれない。故にこういった古楽サウンドは日本では受け入れられにくいっつうことだ。ま、当たり前だが(笑)。

 それとヨタ話をもうひとつ。ブラックモアズ・ナイトって出てきたのが1997年、既に11年経過しているワケだが、当時から婚約者として紹介されていたキャンディス・ナイトももう11年分トシを重ねているワケで、なかなか良い年頃♪ なワケで、今年の10月にニューヨークのお城で結婚するらしい。おい、やっと年貢の収め時か?などと野暮なことは言わないが、この結婚の意味は何なんだろう?そうは思わないか、キャンディス?と言いたくなるが…、ま、カネと名声?ん〜。

 さて、そして新作「Secret Voyage」だが、もうねぇ、最初から素晴らしくルネッサンス的な展開で壮大荘厳、そして美しさも兼ね添えた相変わらずの、いや、もしかしたら過去の中でもかなり良い作品集なんじゃないか?冒頭は2007年ツアーでのオープニングにも採用されていた曲らしく、荘厳なテーマソング。そこから導き出される二曲目はもちろんロマネスクな音楽なんだけど、アルバム全編に渡ってリッチーのストラトサウンドによるギターソロが美しく入っているから、正にリッチーのお得意だった世界と古楽の融合が果たされていて、古くからのファンも認めてよいんじゃない?もちろんハードロックじゃないけど。ただしギターのフレージングの美しさとか旋律の艶めかしさってのは昔よりも磨きがかかっていると思うけどね。

 何曲か「ハッ」とする楽曲も入っていて…、例えば「Toast To Tomorrow」は軽快な舞踏曲だし「prince Waldecks Galliard」はアコギだけのギター旋律曲で思い切りリッチーのギターセンスを堪能できる美しい曲。終盤の「Peasants Promise」も同様だけど後者はギターじゃないのかな?そして続いて出てくるのが「Rainbow Eyes」。別物なんだけどリッチーはここでは思い切りストラトで歪んだ音でソロをたっぷり聴かせてくれるのでアルバム中一番モノ哀しいソロを聴けるかもしれない。「The Circle」はもっと深い世界に行った感の強い、英国の奥地でのサウンドだし、かと思えばどうしてこのバンドでカバーする必要があったのか不思議なエルヴィスの「Can't Help Falling In Love」が軽快に演奏される。いやぁ、なかなか悪くないし、しっかりと古楽隊による演奏って感じになっているから面白い。最後も美しいギターの調べからキャンディスの歌声が響くしっとりとした曲で締め。

 う〜ん、キャンディス歌巧くなったなぁ〜。表現が多彩になったというか、切羽詰まって歌うって感じじゃなくて感情に起伏が出せるようになったし、リッチーも初期は古楽一辺倒ってイメージがあったのがライブをあれだけこなして自分の過去の楽曲も消化して、新たな世界を創っているから面白い。ただ、何度も何枚も聴いていると飽きるっつうのは自分の趣味の問題か(笑)。

All About Eve - Touched by Jesus

Touched by Jesus  メロウキャンドルってのは英国でどれだけ根強い人気があるのか知らないけど、多分、やっぱり日本と同じくそれなりのマニアでないと知らない音なんじゃないだろうか?そもそも英国人は自分トコの70年代のバンド群が世界的に意味を持っていたシーンだったという認識がどれくらいあるのか不明なので、メロウキャンドルって言っても、古い人が当たり前に知っているようなもんじゃないと思う。となると、やっぱりそれなりのコレクター向けのバンド、であるはずなのだ。

 ってなことを意識してなのか、プロダクションの意向なのかわかんないけど、何とも驚くことにその筋では有名なオール・アバウト・イヴっつう美しきジュリアンヌ嬢を配した英国耽美派バンドが90年代初頭にリリースしたシングル「Farewell Mr.Sorrow」という曲のB面でメロウキャンドルの「Silver Song」をカバーしているのだ。当時リリースされた12インチシングルのB面にしか収録されていないので、まずもってマイナーな存在ではあるのだが、80年代末というプログレ衰退期に彗星の如く登場した久々の女性ボーカルによる耽美派バンドとして日本ではマーキー誌がクローズアップしたもんだから音的には別にプログレでもなんでもないけどやたらとその筋のファンが付いていったという不思議なバンド。ジュリアンヌ嬢の美貌がその人気に拍車を掛けていることは間違いないが、どちらかと言うと英国のニューウェイヴから発展したポップスというような感じの方が強かったんだけど、それよりもアニー・ハスラム配するルネッサンスから流れてくる英国のクリスタルボイス系、そしてしっとりとした音色に絡みつくような美声という女性ボーカル信者には堪らない要素を持っていたワケだ。そこにメロウキャンドルの「Silver Song」のカバーと来たらこれはもうマニアはニヤけた笑顔が止まらないでしょう(笑)。

 で、そのシングルのA面となった「Farewell Mr.Sorrow」は三枚目のアルバム「Touched by Jesus」に収録されていて、残念ながら「Silver Song」はCDになって一度もボーナストラックにでも収録されたことのない超レアな曲になってしまっている。しょうがないのでアルバム「Touched by Jesus」を聴き直してみるのだが…、いやぁ〜、これはもう極上のポップスとしか云えない作品ですね。ただ、レーベルがヴァーティゴのグルグルレーベルで出ていたのでやはりマニアはオール・アバウト・イヴというバンドにまだ幻想を抱くことになるワケだ。そうだなぁ、プログレとか抜きにして言うと、ポップなんだけどしっとりとした空間にジュリアンヌ嬢の歌が美しく響き、起伏に富んだ楽曲と美しい音色、ギターにしてもベースにしても鍵盤にしてもとにかく美しい音色が鳴り響いているので、耽美系ってのはよくわかる。心地良くなってくるもん(笑)。ということはやっぱゴシックの元祖でもあるんだろうな…。

 素晴らしきオール・アバウト・イヴのサイトを発見、「Silver Song」のサンプルも置いてあります♪ →コチラ

 2003年にリリースされた再結成?のCD「Cinemasonic」では多分ライブだと思うんだけど、ボウイの「Life On mars?」が最後に入っているなぁ…。う〜む、ちと面白いかも…。

All About Eve - All About Eve

All About Eve  ゴシック系一派からメジャーシーンに出てきたと言う割についたファンは英国伝統のトラディショナルフォークやプログレファンだったというなかなか幅広いファンを獲得することになったオール・アバウト・イブというバンド、まぁバンド名は「イヴの総て」なワケでそれだけでそそられるものがあるのも事実だが、この事実の裏には更に驚くべきことが眠っていたりするのだ。だから故にオールドロックファンも気になってしまうバンドということで実に幅広いファン層を取り込んでいる。そして奏でる音は実に心が癒される音世界のため一般のリスナーでも普通にリラックスして聴けるのだから凄い。

 何と言っても個人的なオススメではファースト「All About Eve」セカンド「Scarlet and Other Stories」に限る。まずはどちらのアルバムもプロデュースをしているのは元ヤードバーズのポール・サミュエル・スミス。うん、初代ヤードバーズのベーシストが1988年に送り込んだバンドのひとつなんだよ。これ以外でメジャー所で彼のプロデュース作品が陽の目を見たことってあんまりないのでまず驚き。そしてファーストアルバム「All About Eve」の美しいジュリアンヌ嬢の艶めかしい姿をジャケットに据えているのだが、そのジャケ写を撮ったのが記憶が正しければ同じく元ヤードバーズのクリス・ドレヤのハズ。どちらもヤードバーズのベースを務めたことのある二人がそんなところで90年代を迎えようとしている時代に繋がっているってのはなかなか嬉しいことではないですか。

 で、肝心の音の方なんだけど、これがねぇ、もうゴスとかなんとかではなくって完全にアニー・ハスラムとかそういう世界に繋がってくるし、アコースティック調のギターにベースにドラム、そしてジュリアンヌ嬢の歌声なので売れる素地は完全に出来上がっているんだよ。出てくる音も静かでメロディの綺麗なものばかりなので聴きやすいしね。ただ、面白いのは歌メロだけ取ってみるとアレンジ次第では完全にゴシック調やパンク的な方向ってのは向かいやすいラインなんだよね。今で言えばどこかエヴァネッセンスみたいなメロディなんだもん。耽美的というにはあまりにもポップ過ぎる感じで一般的な音なのでちょっと違うんだけどさ、同じ時期に英国のシーンに同じような出方で出てきたバンドなので並べておこうかな、と。結構天使の歌声的な声はしているよ。そんなに上手くないけど(笑)。ただ音は凄く透明感があって綺麗で、この頃のニューウェイブとも取れるサウンドもある。どこかアニー・ハスラムのソロとかMaggie Reilly - ROWAN マギー・ライリーのソロとかそういうのを思い浮かべる世界。

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